香港の不動産開発業者であるSwire Propertiesは、建物は環境に優しく、モダンで、多様性に富んでいることが重要と考えています。香港の未来的な商業ビル地区にあるTaikoo Placeのビル用空調システムを検討する際にも、この持続可能性に着目しています。

全面ガラス張りの外壁、たくさんの自然光、そしてビクトリア湾のパノラマビュー —これらはOne Taiko Placeが持つ機能のほんの一部です。ビルには エアコン付きの歩道橋が接続され、滝のある手入れの行き届いた庭園、屋外ダイニングエリアが配置されています。

 香港のQuarry BayにあるTaikoo Placeには9棟のオフィスビルが相互接続されており、 One Taikoo Placeは2018年に完成した48階建ての最も新しい高層ビルです。 Fortune500企業を含む300以上の多国籍企業の多くの従業員が、Taikoo Placeの464,000平方メートルにあるオフィススペース、小売店、多数のレストラン、カフェなどさまざまなサービスを利用しています。

ケンブリッジハウスにある650平方メートルのArtis Treeイベント会場では、演劇、ダンスから最新の芸術形式や展示会まで、さまざまなイベントが開催されます。

しかし、One Taikoo Placeにはさらに多くの特長があります。 不動産開発業者のSwire Properties Limitedが所有するこの建物は、最高の持続可能性基準を満たしている事を示す証明や賞を数多く受賞しています。 アシスタント・ビルディング・サービスマネージャーのIsaac Tsang氏は、次のように説明しています。 「建物の特に環境に配慮した点で取り上げたい事は、暖房、冷房、電気を供給できる複合発電システムや、植栽された2階建ての屋根に設置した統合ソーラーユニットと雨や中水をトイレへ再利用した持続可能な水管理システムです。その上、設置されたエアコンにebm-papstのエアフォイルインペラーで効率的なRadiPac ECファンを採用した事も強調すべき点です。」 Swire Propertiesは、2015年からebm-papstのファンスペシャリストの協力を得ています。

潜在的なコスト削減の追求

「当時、私たちは古い建物で運用される空調機(AHU)の性能が良くないことに気づき、エネルギーを節約する方法を探していました。それは、今の冷房需要に見合ったファン回転速度と消費電力を達成できるソリューションでした。」とTsang氏は述べています。 「そこで地元の請負業者に相談したところ、業者はebm-papstに連絡を取りました。」 ebm-papst Hong Kongの地域セールスマネージャーであるDaniel Yiuは、エネルギー節約の大きな可能性を見いだし、Swire Propertiesにテスト使用を提案しました。「Taikoo Placeにある34階建ての古いオフィスビルの1つである築22年のDorset Houseのテナントが、一つのフロア全部から引っ越したばかりでした」「約1,500平方メートルのスペースは、レトロフィットによる潜在的なコスト削減効果を実証するテストには理想的な状態です」と彼は説明しました。  まず、ebm-papstがいくつかの計算とシミュレーションを実施した 結果、Swire Propertiesが所有する建物のACファンをECファンに置き換えることで、40%のエネルギー節減が実現できることが示されました。

試算の確からしさは、現場での測定によって検証されました。

Swire Propertiesは、できるだけ現在の空調機のコンポーネントを継続利用し、古いベルト駆動ファンとインバータ制御装置をRadiPac ECファンに交換するだけで改善したいと考えていました。そのため、2015年11月、地元のサービスプロバイダーは、空調システムの古いACベルト駆動ファン(消費電力= 22キロワット)を、合計出力5.25キロワットの4つの小型RadiPac ECファンに交換しました。同社は古いモーター、ブロワーを取り外し、サポートフレームを追加し新しいRadiPac ECファンを取り付けました。

結果は4か月後に明らかになりました。 「それは,ebm-papstの計算とほぼ一致していました」と、満足げにIsaac Tsangは回想します。 「新しいファンは40%のエネルギー削減を実現しました。さらに、メンテナンスの労力を最小限に抑える事ができ、またより多くの運転データを得る事ができました。そこで我々は、建物内のすべての空調機ファンを交換することにしました」。全ての既存のACファンが132個のRadiPac ECファンに取り替えられました。

9つの建物が既にアップグレード完了

Swire Propertiesは、より多くのエネルギーコストを節約できる可能性が分かったため、その1棟だけに留めることはしませんでした。 「ファンの使用率が高い他の古い建物の改修を行うことにしました。私たちの建物のいくつかは15年以上前のものです。これらの建物では特にエネルギー節約の可能性は高く、投資回収時間は速いのです」とTsang氏は述べます。 「これまでに、Taikoo Placeオフィスタワーにある5件、Pacific Placeオフィスタワーの2件、Taikoo Hui広州の2件、併せて9件のグレードA商業ビルとショッピングセンターを改装しました。ファンのエネルギーを20〜40%節約できています」。今後も Swire  Propertiesに属するより多くの建物でレ-トロフィット工事が続きます。

Swire Propertiesはまた、香港のWong Chuk Haung、Citygate、One Taikoo Place にある3つの新しい建物に効率的なebm-papst RadiPac ECファンを採用しています。また、 Quarry Bayにある最新のTaikoo Place towerには、環境に優しいエアコンシステムを導入する予定です。 ebm-papst RadiPac ECファンは、2022年に完成する予定のTwo Taikoo Placeに対し、既にご注文を頂いており、第一タワーと同じく優れた環境に優しく快適性を備えた建物となっています。したがって、Swire Propertiesは、ebm-papstの効率的な換気を採用する事で、将来さらに多くの賞を獲得する可能性が高いと考えています。

Swire Properties Ltd.

1972年に設立されたこの不動産会社は、香港と中国本土、シンガポール、米国で多数の多目的ビルを管理および開発しています。 同社のポートフォリオには、商業用、小売用、ホテル用、住宅用の不動産が含まれます。 同社は、2017年から2019年にかけてダウジョーンズサステナビリティインデックス(DJSI)で香港と中国本土からの唯一の構成員であり、経済的基準に加えて環境的および社会的基準を含む株価指数を構成する企業の一員です。