ボトリングおよびパッケージングのスペシャリストであるKronesは、顧客設備にピッタリ適合する冷却塔も提供しています。 特殊仕様で費用対効果が高く、効率的な解決策の恩恵を最初に受ける事ができた顧客は、瓶詰め業界の巨人Refrescoでした。

オランダ・シッタルト(Sittard, Netherlands)にあるRefresco工場にいる400人の従業員たちは、自分たちを「缶業界の王」と呼んでいますが、これは決して誇張だとは言えません。毎日約400万本の缶が、さまざまな飲み物の封入プラントから数多くのベルトコンベヤーラインで運びだされています。エナジー・スポーツドリンク、軽食用の飲み物やビールが缶に封入された後は、世界中の有名なフードチェーン店やディスカウントストアの棚に陳列されていきます。   

RefrescoがKronesから2019年に調達し運用開始した新Line 8だけで、毎年4億缶が出荷されています。この設備で注目する点は、Kronesの独自設計で冷却塔付きターンキーラインを採用した、最初の缶詰めプラントの1つであることです。シッタルト(Sittard)のRefresco生産プロセスマネージャーであるSven Breitfeld氏は、次のように説明しています。私たちにとって新しい一体的なシステムは、設備に関する問題は1つのパートナー会社にコンタクトすれば済むから大変有用です。これにより、多くのことが簡素化されました。私たち同様にKronesは常に製品を改善し、革新を通じて製品を最適化することに取り組んでいます。プラントに合わせて調整された冷却塔は、その良い例です。」

ロッテルダムに本社を置くRefresco Groupは、売上高約23億ユーロ、欧州と北米の小売業者やブランド飲料会社向けでは世界最大の独立系ボトラー会社です。 世界中に61のボトリング工場を持つ同社は「すべてのテーブルに私たちの飲み物を」というモットーに誇りを持っています。 会社全体でさまざまなメーカーの約3,000万リットルの飲料が毎日製造され缶に詰めされていますが、、フルーツジュース、アイスティー、エナジー・スポーツドリンク、ミネラルウォーター、ビールなど多岐にわたっています。

Sven Breitfeld:「私たちは高い品質レベルのシステムとともに、革新的な生産および缶詰めに関するソリューションをお客様に提供しています。 しかし、私たちは同時にマーケットリーダーとしての責任も自覚しています。 私たちはエネルギー効率の高い生産システムを含んだ包括的な持続可能性戦略を持っており、また適切なソリューションの提供が可能な幾つかのパートナー企業を持っています。」

冷静な決断

それらのパートナー企業の1つが、缶詰めおよび包装のスペシャリストであるKronesで、本社はバイエルン州ノイトラウブリング(Neustraubling, Bavaria)にあます。ここの開発技術者達は何年もの間、課題として業界向けの省資源でエネルギー効率の高いソリューションに集中的に取り組んできました。 以前からずっと世界市場のリーダーとして彼ら自身、機械およびプラントエンジニアリング会社以上の存在であるべきと考えてきました。 同社は年間売上高の約5%を研究開発に投資しており、現在約6,000件の特許を取得しています。

プラント開発業者が新興の冷却塔市場の調査を望んでいたのは当然のことです。 以前Krones自身も冷却塔を購入していました。 しかし、この冷却塔は今や大変注目されている製品です。近年、冷却プラントや工業用水が主に生産工程での冷却水として使用されていますが、もう一つの設備として冷却塔の需要は連続的に増加しています。

冷却塔は缶詰め工場内で第2の冷却回路を形成しています。 まず、充填された缶またはボトルには殺菌後に冷水を浴びせます。 この水はその時の温度によって、冷凍プラントまたは冷却塔によって冷却されます。 そして放出されたエネルギーは、再生サイクルの助けを借りて最適に使用されます。 特定の動作状態で再生サイクルが停止すると、動作熱が発生し製品の外観と味に影響を与える可能性があるため、すぐに放熱する必要があります。 ここで冷却塔が活躍します。フレンスブルク(Flensburg)のKronesにあるProduct Treatment TechnologyのChristian Depner氏は、次のように説明しています。「冷却塔はある温度レベルまで水の冷却を引き受けますが、その過程で冷凍システムプラントよりもはるかに経済的です。」

したがって、クローネ(Krones)がこの期待有望なシステムを使用して、すでに広範に展開するビジネス・ポートフォリオをさらに拡大することは明らかでした。 もちろん、プロセス用に最適化されたシステムで、会社の完璧主義に完全に一致しています。

完璧に調整されたソリューション

Kronesのスペシャリストは、冷却塔に対し彼らのこれまで蓄積した専門知識を投入した。  耐震ステンレス構造では、ネジの代わりに溶接されており、バクテリアの接触面積ができるだけ少なくなるように設計されています。 Christian Depnerは、冷却能力の基本のプロセスエンジニアリング設計を支援しました。 彼は次のように説明しています。「4年前、私は学生研修生として、学士論文で冷却塔の設計を扱いました。 計算の基礎はすでにありましたが、私たちのセクターの現実をさらに正確に示すいくつかの追加の要因も考慮に入れました。」

冷却塔の無効電力は最小限です。 温度が変化すると、空気を供給して水に放熱するファンの出力が自動的に調整されます。 ここで、KronesはAxiBlade ECファンを採用しており、その理由は無段階に可変風量制御ができる事で、需要ベースの冷却能力調整に最適だからです。 (レンダリング| Krones)

プロセスの専門知識を活用して独自の冷却塔を製作

重要な要素の1つは、プラントの設置場所です。たとえば、周辺空気の温度と湿度は、生産に提供できる冷却能力に大きな影響を与えます。さまざまな地域にある缶詰め工場では、プロセス中の特定の時間に発熱エネルギーのピークがあったりします。これらは一時的に高い冷却能力を必要としますが、一定期間後には減少します。冷却能力の季節調整は、製品を変更するときと同じくらい重要です。Christian Depner氏は次のように説明しています。

たとえば、ジュースが熱い状態で缶詰めされる場合は、短期間に急激な冷却が必要です。 対照的に、他の液体は長時間にわたって均一に冷却する必要があります。」

生産プロセスと製品に関する長年の経験、およびKronesでの広範な専門知識により、関連するすべての要素を考慮に入れることができました。これにより、冷却塔の無効電力を最小限に抑えることができました。必要な冷却のみが常に利用されていることを確認するために、冷却塔を出る冷却水の流れが継続的に測定されます。温度の変化が最小になるとすぐに、空気を供給して水温を調節するファンの出力が自動的に変更されます。これは、必要な冷却能力が常に利用可能である一方で、顧客はノイズが少なく、エネルギー消費が大幅に削減されるというメリットがあることを意味します。

静かで、経済的で、信頼できること

システムが要求に応じて機能するように、取り付けられたファンを正確に制御する必要があります。 ファンは冷却塔の不可欠なコンポーネントです。 これが、Christian Depnerがここで偶然性は何もないと言っている理由です。「さまざまなオプションを検討し、ebm‑papstのAxiBladeシリーズに決定しました。 ECテクノロジーのおかげで、ファンは無段階に電源を入れたり切ったりできるため、常に需要ベースの冷却能力を供給します。」

--------------------------------------------------------------------------------------------------------

「私たちはエネルギー効率の高い生産を含んだ、包括的な持続可能性戦略を持っています。」

SVEN BREITFELD、シッタルト(SITTARD)のREFRESCO生産プロセスマネージャー

--------------------------------------------------------------------------------------------------------

ファンが使用される前に、開発者は重要な調整を行いました。 Depnerは次のように説明しています。「ファンは、水回路での藻類やレジオネラ菌の増殖を抑制する強力な殺菌剤と接触します。 従ってebm‑papstは供給する全てのAxiBladeシリーズファンに、特別な腐食保護を施しました。 我々のシステムの標準仕様は4〜20ミリアンペアの制御信号を使用していますが、ebm‑papstは適切な入力信号を使用した特別なパラメーターも提供してくれました。」

“より多くのファン” = ”より高いプロセスの信頼性”

必要な冷却能力に応じて、冷却塔では通常1〜8個のファンが運用されています。 RefrescoのLine8には、それぞれ5台のファンを搭載し合計1,940キロワットの放熱能力を持つ2つの冷却塔が設置されました。 Christian Depner氏は、次のように説明しています。「ファンは平均50%の負荷で稼働しています。 複数設置されたファンの利点は、間違いなくプロセスの信頼性です。 1つが故障した場合、他のファンが稼働を高めて簡単に冷却能力を増やすことができ、その状態を維持できます。」 信頼性に関するこのボーナスは、生産プロセスマネージャーのSven Breitfeldにとっても重要です。「完全な信頼性で動作し、製品の最適な品質を保証し、持続可能性戦略に適合するシステムが必要なのです。」

Kronesはそれ以来37の冷却塔をドイツ、オランダ、ブラジル、ハンガリー、アフリカなどの企業へ設置してきました。 省エネ技術への需要は高いです。 Sven Breitfeld氏はまた、ノイトラウブリング(Neutraubling)を拠点とするこの会社が正しい方向に進んでいると考えています。 冷却塔を含む全てのものを単一の供給元から購入できるようになり、Kronesは私たちにとってさらに魅力的なパートナーになりました。」